人徳

今日は友人のお父さんの御通夜だった。そのお父さんにはたぶん5〜6度はお会いしている。自由が丘でその友人たちと飲んでた時に夫婦揃ってそこに現れて、一緒に飲んだ事もあった。
一度、中目黒で飲んで帰れなくなった時、その友人宅(中目黒の一等地)の空き部屋に泊めてもらった。自分は飲んでもわりと朝早く目が覚める方で、7時半くらいには目が覚めていて、しばらくぼーっとしていた。リビングに人の気配はするけれど、どうも友人のようではない。お母さんの方とはなんとなくちょこちょこお話をしたことはあったけど、お父さんとはあまり話したことはなかった。(上の自由が丘より以前の出来事なので)
9時になっても状況変わらず。
友人は女性なので、友人の部屋へ行くことも出来ない。
意を決して、起きてリビングへ行く。

お父さんがひとりテレビを見ていた。
オレ「おはようございます!」
父上「…」
そりゃ、あまり見かけないオトコがいきなりリビングに現れて、おはようございますも無いもんな。けど、別に怒ってる様子でもなんでもなく、平穏な顔をしている。そう、友人のお父さんは普段とても物静かなのだ。
10時までの1時間、リビングでオトコ2人、ほとんど話をするでもなくテレビを見た。そして、お父さんは仕事に出かけた。
これが友人のお父さんとの一番の思い出。

御通夜は、芸能人の御通夜かと思わせるぐらい盛大だった。
友人のお父さんは6〜7年前かに自分の会社を倒産させていたにも関わらず。
ほんとは自宅兼マンションの賃貸料で十分生活できるため、会社は早くに辞めなさいとだいぶ前からアドバイスを受けていたらしいが、従業員のことを考えるとやめるにやめられず、かなりボロボロになってからの倒産だったと聞く。

自由が丘で飲んだのは、この倒産後のわりと間もない頃だったと思う。
肩の荷が降りたのか、夫婦揃って楽しそうだった印象が残ってる。

ご冥福をお祈りします。